画像にしたから、観える物も在る。実際には、この文字は殆ど見えない。
その『善人!?』は言う。
「えっつ!?文字を知らないの?」
と言い、
「じゃあ教えてあげる!」
と言って、
『黒の台紙に、墨で文字を描く』
このような事は、至る所で起きている今日この頃…
街のとある『場所』での景色
「めんどくせえな~なんで、このボタンをイチイチ押さなくちゃならないの!!!」
昨今では、お酒や、煙草(タバコ)を購入するには、購入者の年齢確認と、また、同時に一定以上の年齢であることを
開示する必要がある。だが…
「システムで、そう組まれてしまっているので、ボタンを押して貰わないと、こちらからは、レジが動かないんですよ…」
事情を説明しても…さらには…
「お酒や、煙草(タバコ)を購入するには、購入者の年齢確認と、また、同時に一定以上の年齢であることを
購入者が開示する必要があるのですよ…」
この言い方が、気に入らなかったのか…
「もう結構だ!!!他所で買う!金を返せ!!!」
システムには色々な事が想定されている。また、実際にそのような人も現れる。このような人を、お客とは呼ばない。
何故なら…
レジに組み込まれている、システムに従って、返金の作業を進める。
「早くしろよ!!!400円だよ!!!」
立場を利用して、いくらでも、その悪意に満ちた行為を続ける。しかもわざと、決済が済んだのを見届けてからの行為だ。
個人的に、このような人を僕はお客とは呼ばない。
「先程、お渡しした40円のおつりと、商品の代金、の360円と合わせて、400円になります。こちらに返金します。」
その悪意に満ちた行為をする者に対して、出来るだけ、言葉遣いだけでも、丁寧に、丁寧になるように努める。
トレイに置かれた400円を手に取り、その人はせせら笑いながら言った。
「な!!!面倒だろ~」
『我慢!?』、『(宗教的な意味合いでの)修行!?』、さらに驚いてしまうのは、その人の年齢である。
「一体!?どう生きて来たのか…?」
個人的には、極めて疑問を感じる。普通は、歳相応にして、人として、より礼を尽くすことの意義や意味も解って来て、
それらが態度や言動に現れて、他人から敬られる存在へとなるはずなのだが、…
いや、今、此処に描いた事は、僕が勝手に描いていた幻想に過ぎないのだろうか…
此処の場所で、悪意に満ちた行為を何度か受ける事がある。また、
此処の場所から、人々の止まる事の知らない、貪りを、貪欲を、観続けている。
『貪』
仏教でいう、『貪瞋痴』三毒の1つだ。皮肉なのは、知識が在り、また、実際に、此処の場所で行き交う人の流れを観て、
改めて、その『貪』が毒である事が良く解る。また…
また、確かに、現実に『色々な人』が、存在している事も改めて解る。
その子は、此処の場所に欲しい本を買いにやって来た。
「結んである紐は、このままでいいですか?」
その子が透き通った声で応える。
「はい!そのままで大丈夫です。」
2段階のバーコードを通して、レジ越しに商品の値段をその子に伝える。
「お会計、650円になります。」
その子は、大事に持ってきたお金650円を、そっと、トレイの上に置く。その所作からも、お金を大切に扱っている事が
良く解る。
「お会計、失礼いたします。」
トレイの上に置かれた650円をレジ機械の中に投入する。僕が、決済ボタンを押すと、商品のレシートが出て来る。
商品の本とそのレシートを、丁寧にその子に渡す。
僕は、言う。
「ありがとうございます。」
すると、その子も言った。
「ありがとうございます。」
そう言って、
『m(__)m(ぺこり)』
と頭を下げて、この場所から出て行った。
清濁併せ持つのが、この世の倣いか…?
悪意に満ち溢れ、多くの人々の『貪』を観続ける中でも、確かに、光を放つ者が必ずいる。必ず、現れる。
暗闇でも「道」を見出す事が出来る!?
少し前に(といってもかなり前か…)、僕とあいつとで、
ドライブの最中に、あいつが、しみじみと言い得て妙な事を僕に言った。
「しかし…あれだな…こんな暗闇でも、自ら光を放てば、駆け抜けて行けるんだな~」
takumaroは今日も往く!
追記
冒頭で、紹介した写真は、写真(フラッシュを焚いた)だから作品になっているのであって、作品の現物は、本当に目を凝らさないと文字が見えない。今回のお話のタイトルとマッチする写真が見つからない中、何度か使った事のある、暗闇の写真を
また使うつもりでいたら、この作品が見つかった。
『表現するという事を模索している中で(これは、現在進行形でもあるが…)』、
かつて創作した作品になる。この作品の意味する処は、先に描いた通りである。