これを描いている時の心境を…先ずは、此処に記して
『千年の 月日と言えど 癒されぬ 唯々笑う この世の様を』
これは、僕の友人が詠んだ詩である。これが、オリジナルだ。で、これを、
1000年の月日の後の、その友人が(僕の事)詠むと…
『千年の 月日と言えど 変えられぬ 唯々笑う この世の様を』
まあ、いずれも、何処からか、この景色を観ているという事だ…
僕が観ている景色は
として、少し前に記した。友人の詠んだ詩を引用してね…
『現実』を先に記せば…
誰もが、こういう景色を観るわけではないのだろう。余程、頭がイカレテいるか…相当に社会から疎外されていない限り…
何故なら、誰もが、生活に追われているし、その生活を担保するためにも、働かなければならない。当然、時間は奪われるし、場合によっては、精神(心)を破壊されるだろう。自由も奪われ、束縛の中で、生活を担保できるだけの『お金』を手にする。他人がどうだとか…政治がどうだとか…世界がどうだとか…そんなこたあ、2の次、3の次。
そして、これが普通の状態。
有権者が、自民党、公明党等に、票を入れてしまうわけである。
人々が、情報を精査するだけの能力は勿論、その時間すらもうない。
その時間すら与えられる事もないだろう。
その真実の情報も、いよいよ、もう人々の元には永遠に届かなくなるのだろう
『えっつ?僕?』
自民党、公明党になんか、絶対に票なんか入れないよ!
ただ、僕が、あなたと違うのは、情報を精査するだけの能力と時間がある。
『何で、時間があるのかって?』
あなたは、『お金』と引き換えた。あなたはね…
僕はね…冒頭にも描いたけれど…あなたに寄り添うように描くのなら…
『頭がイカレテいるし…相当に社会から疎外されていますから…』
雲の中で、不思議な仙人!?と会い…そして、巨大な自転車に乗ってしまった…
『頭がイカレテいる』
と事前に宣言をして置くと、非常に色んな意味で僕の場合はやり易い事が多い。
『誰もが…』
という淡い期待を、僕も抱かないわけではない。でも、客観的に…と判断するのなら、やはり…僕が
『頭がイカレテいる』
というのが、現実なのだろうか…具体的には
僕には、たまに、夢と現実の区別が付かない時がある。
僕は、時々、この世界の住民ではない人達と出会う事がある。
…
あなたは、勿論、そんな事はないはずだ。何故なら、
『頭がイカレテいる』のは僕なのだから
その一連の景色は、雲の中から始まった。
「いよいよ、お迎えでも来たか?」
あいつを見たら、あいつは、僕と目を合わせた瞬間にニヒルな笑みを見せた。そして、顎で、前を見て観ろとジェスチャーをした。促されて前を見る。
「いよいよ、お迎えが来たか…僕は、『やっぱり良い人』だったんだな…」
目の前に、白髪のボサボサ頭で、その髪は肩を超えて、腰のあたりまで伸びていて、
所謂『杖(柄の処が妙に曲がっている)』を持った老人が、僕の事を観ている。その顔は何故か笑っている。
ドラマ…テレビ、ラジオ、本、映画、各種メディアが創り出し、そして、人々に見せて来た、その存在が僕の目の前にいた。
あなたに、解り易く言えば…
『神』
あるいは、
『仏』
等といった存在なのだろうか…少なくとも、各種メディアの影響もあり、僕には、そいういう物の存在と感じられた。
何よりも、一連の景色は『雲の中』から、始まっていたし、このような、これと似た経験を、僕は、もう何度もしている。
僕とあいつは、その『老人』に、吸い寄せられるように近づいていった。
僕らと、『老人』の距離が2間位…(1畳の長い方の長さ×2)
になった処で『老人』は『杖』を振った?のだろうか…
僕らの目の前に『自転車』が出現した。しかし…その自転車…
僕の今までの生きて来た経験から、自転車擬き…を、今、僕は
僕のこれまでの自転車に関する経験や知識を元に、あなたに、説明をするのだが…
僕は、自転車に今でも乗っているし、勿論、初めて自転車に乗った日の感覚とかも覚えている。
勿論、無事故、無違反ではない。無灯火で自転車に乗って、警察官に捕まり、無用な口論をした事もあるし、
しっかりと大事故(大転倒)を起こしたこともある。そういう、様々な僕の自転車に関する経験と知識から、あなたに、
『自転車擬き』
を説明をするのだが、見た目は普通の自転車とは変わらないように思えた。この時は…
ハンドルもある。T字ハンドルではない。スポーツタイプのハンドルでもない。ごくごく普通のハンドルだ。
所謂ママチャリのハンドルだ。ベルもある。
「うん?」
そうか…ブレーキは無かった。フレームは、ごくごく普通だった。勿論、運転席であるサドルもちゃんと付いていた。
ただ、僕らとその老人は雲の中にいた事もあったのだろう。僕は、僕自身の足元を確認できなかったし、あいつのも、
その『老人』の足元も僕は確認出来なかった。そして、その『自転車擬き』の足元…その車輪も僕は確認出来なかった。
『さあ…乗れ!』
なんか、頭に響いてくるような声が聞こえて来た。少なくとも会話中の声の聞こえ方では無かった。勿論、
声の主がその老人であるのは僕にも解るのだが。声と身体と杖を総動員させて、僕に、その自転車に
『乗れ!』
とその老人が促す。
「はあ…(どうしたものか…)」
僕は、しばらくの間、その『自転車擬き』を見つめていた。あいつが、その老人に質問したのは、この時だった。
『○○○○な行為なのかな…?』
僕が聞き取れなかったのか、あいつが、ワザと僕には聞こえないようにして質問をしたのかは…いや、多分、後者だ。
あいつの質問に対して…その老人は不気味な笑みをみせた。何故か、
あいつと、老人との間では意思の疎通が出来ているようだ。あいつも、老人に対して、いつものように、
ニヒルな笑みを返していたからだ。僕は、2人の笑みの間を行ったり来たりしていた。
「どうするのかな…?」
あいつが、僕に尋ねて来た。やはり、いつものニヒルな笑みを見せ続けている。
「う~ん~」
と言いつつ、結局、僕はその自転車に跨る。そして、漕ぎ出してみた。
あまり、意識したことなど無かったが、自転車を漕いで車輪から伝わってくる感覚を物凄くこの時に感じた。
どういう感覚かと言うと…
『地に足が着いているという感覚…』
あるいは、
『沼や川、湖、果ては、海で溺れてしまい、気が付いたら、足が底に着いていた…』
という安堵感。何をやるにしても、何かに向けて進むにしても、その足が地に着いていないと、なんともし難い。
『地に足が着いているという安心感…』
とでも言うのだろうか…こういう物を僕は感じていた。
その自転車を漕ぎ出し、目の前に覆いかぶさってくる白い靄を掻き分け、雲の中を突き進んで行く。
あなたが、あなたの自転車に乗って50mから100m進んだ事を想像してほしい。
僕の感覚では、この時、この程度しか、その自転車を漕いでいない。いきなり、雲の外へ投げ出される。
僕は、確かに、その自転車を漕いでいる。そして、確かに、いつもは、殆ど感じもしない
『地に足が着いているという安心感…』
も感じている。その自転車…その物の存在も…認識している。と言うか…こんなタイプの自転車は勿論初めてなのだが…
その自転車の2つの車輪は、本当に巨大だった。
まあ…夢とも、現実とも取れる話を僕は今している。いや…そもそも、あなたに理解を求める事が間違いなのかな…
僕に、そのタイヤは観えてはいる。幅…4~5cm位のゴムが何処までも続いている。でも、ある程度先からは、
半透明…その先は、完全に透明になっている。僕が、此処で、この自転車に感じた事は…
「この自転車で人を轢く事は無いんだな…」
その自転車を漕ぎつつ、その不思議な巨大な車輪越しに観える、いつもの街並みを観る。
「この巨大な車輪…多分、直径で1㎞位なのかな…」
普段、僕が生きている街の景色が眼下に広がっている。僕が観ている街の景色は夜景…?
至る所に、生活をしている人々が灯す灯りが光って見える。僕は、巨大な車輪越しに、その景色を上空から眺めるように
観続ける。目線を水平方向へ移すと、光と闇の境界線が遠くに観える。僕が観ている街の景色は夕暮れ時…?
あらゆる処で、『光』と『闇』が共存している…そんな景色だった。
『あらゆる処?』
いや、『空』も残念ながら例外では無かった。『空』にも、しっかりと『光』と『闇』が共存していた。
しばらくの間、僕は、その自転車を漕ぎ続け、それらの景色を眺め続けた。
そして、決定的な事実にようやく気付く事になる。
僕は、その自転車を漕ぎ続けながら、あいつに基本的な質問をした。あまりにも基本的な馬鹿げた質問だ。
あいつは、いつでも自由だ。何故なら、今は宙を浮いた状態で自由に浮遊しながら僕に付いて来ている。
あいつは、いつものニヒルな笑みを僕に見せている。
「ところで…この自転車…どうやって降りるんだ?」
改めて、あいつは、ニヒルな笑みを僕に見せてからワザと僕に聞き返した。
「あれ…!?先に俺が老人にした質問…聴いてなかったの?」
…
日常でも僕は意識が飛んでいる事が多い。よく言えば、それだけ集中しているという事なのだが、まあ…ここで言うのなら
『頭がイカレテいる』
が、正しい表現なのだろう。
録画した番組のお気に入りの、(別に、今はお気に入りではないのだが…)
名場面を確認するかの如く、記憶を巻き戻し、あいつの質問した、その瞬間に立ち戻る。
『不可逆的な行為なのかな…?』
…
『あっつ!!!』
あいつは、本当に嬉しそうに笑って僕を見ている。しても意味はないのだが、不貞腐れた顔を取り敢えず、あいつに見せる。
あいつが、基本的な事を僕に確認して来た。
『元の世界に…自転車を跨ぐ前の世界に戻りたい?』
しばらくの間、僕は考えた。いや…考えるまでもないのだが、ある種の公平さと『元の世界』に対する敬意を示す意味も
込めてなのだが…改めて考えてみた。もっとも、僕の答えが変わるわけでもない。何よりも、『不可逆的』なのだから…
どうしようも無いのだが…
「いや…」
手短に、僕は応えた。
そして、もう一つの基本的な事を…僕は、その自転車を漕ぎ続けながら、あいつに質問をした。
「これ…漕ぐのを辞めたら…どうなる?」
待ってました!と言わんばかりの顔をあいつは僕に見せて、
「試しに、…漕ぐのを辞めてみたら…?」
と逆に僕に振り返して来た。で、僕は、実際に少し、ペダルを漕ぐのを辞めてみたら…
「うおっつ~うっつわ~わああ~あああ…」
巨大な車輪の自転車に自身が乗り、その自転車が、左右のどちらかに倒れる恐怖…中々の物である。
ただ、僕が、ペダルにほんの少し力を加え、
再び漕ぎ出したら、
何事も無かったようにその事態は改善された。
あいつが、珍しく僕への労りも込めての?質問をして来た。
「漕ぎ続けるのは、疲れるかい?」
日頃のあいつとのやり取りもある。先程と同様で改めて、敢えて手短に応えた。
「いや…」
あいつは、静かに笑っていた。
「いや…」
とあいつに回答しつつ
「(日頃の鍛錬の成果が此処にあるのかな?)」
と自問する。そもそも、よく考えれば、そんな巨大な車輪をしたヘンテコな自転車だ。本来なら
動かすだけでも相当なパワーを要する筈なのだが、ましてや、そんな自転車を動かし続けるとなると…
でも、別に苦では無かったし、とくに疲れも微塵も感じなかった。
再び、僕は、その自転車を漕ぎ続け、それらの景色を眺め続けた。
「相変わらずの景色なのかな…」
僕の呟きに、あいつが静かに笑って応えた。
やはり、今回の場合は、常に基本的な質問に戻るようだ。
『日常に戻るにはどうしたら良い…?』
僕の感覚としては、極めて現実に近いのだが、何処かでしっかりと、これは『夢』だと言う認識が働くようである。
あいつは、やはり笑みを見せてから
…
「そうだな…街の灯り…何処か…一点を見つめて観なよ…」
…
「(言っている事が良く解らないのですけれど…)」
という『あいつ』への愚痴を籠らせつつ、結局、しばらくの間、僕は、その自転車を漕ぎ続け、それらの景色を眺め続けた。
『相変わらずの景色』
を眺め続けた。どの瞬間だったのか…ふと、ある街の灯り…が気になって其処に意識が集中した。その瞬間に…
その大地から放たれる街の灯り…に一気に吸い寄せられた。先程の、
『巨大な車輪の自転車に自身が乗り、その自転車が、左右のどちらかに倒れる恐怖…』
みたいな物は、全く感じなかった。全てが一瞬だった。
…
気が付いたら、天井の一点を見つめていた。
いつもの天井、いつもの部屋、いつもの本達、いつもの煎餅布団、おまけに今回は…
「夢か…?」
寝起きで、神出鬼没な『あいつ』がいきなり隣で立って僕の顔を覗き込んでいるのは、極めて目覚めが宜しくない。
まあ…寝起きで直ぐに『あいつ』がいるのだ。経験上宜しくない事が起きたのは確かなのだろう。改めて、『あいつ』に
「夢か…?」
と質問をしようとしたら…
「なんだ!?『悪夢』でも観たか?」
と言って、『あいつ』は、嬉しそうに僕に笑って見せた。
質問をするのも馬鹿らしくなった。と言うか…悔しいから取り敢えず、こう返した。
…
「いつも、『色々な夢』を見ているからね…お蔭様で!!!」
あいつは、嬉しそうに笑みを見せつつ
「よし!!!」
と言わんばかりに僕に親指を立てて見せた。
なんか…悔しいので、この記憶を記録に起こす事にした。
僕は、タイトルを『夢か?現実か?』としたが、我ながら言い得て妙である。内容も込めて。
さて、あなたはどう思うのかはさておき、最後に一つ、補足説明をしなければならないのだろう。公平性を保つために…
…
『いよいよ、お迎えが来たか…僕は、『やっぱり良い人』だったんだな…』
話の内容を踏まえると、此処には多分に疑問の余地が入るようだ。残念な事だが…
takumaroは今日も往く!