暑中稽古…

 毎度毎度の事なのだが、年に2回、大変な時期がやって来る。

好きで続けている柔道に関する事なのだけれど、夏のこの時期7月の『暑中稽古』と冬の1月の『寒稽古』の事である。

いや、あの…稽古がキツイのではない。連続して稽古が続くのがキツイのである。

「…キツイ…と言っているのと同じか…」

年に2回のこの時期は、僕の柔道の稽古が6日連続になる。身体が訴えている感覚は、高校や大学時代の

柔道部の合宿と同じような感覚になる。

「歳を取ったのか…」

認めたくはないが、やはり、現実は否応にも突き付けられる。

「まだ、30代前半…もっと頑張らなくては…」

歳のサバをよんで、自分を鼓舞してみる。こういう事も、さらっと描くから、各所各方面から

大バッシングを受けたりもする。これでも、控えたつもりである。ちょっと前は、20代後半で通していた。ちなみに…

「何をとち狂ったことを言っているんですか!」

といった具合に、ちゃんと、『ぬりかべYさん』や、『極の方Eさん』に、他にもたくさんの人に、

ぼろ糞に突っ込まれている。

多分、それで、バランスは保たれているのだろう。

 

今回は、2017.07.11~2017.07.16の6日間が、そのキツイ時期だった。

「え…?」

そう!もう稽古は終わっている。今年は無事に、6日間乗り切る事が出来た。

「無事にかな…?」

3日目や4日目の稽古は、本当にサボり…いや訂正、本当に休みたかった。

このあたりの意識は、高校時代や大学時代の柔道部の合宿で感じていた事と全く変わっていない。

「うん…?全く成長していない…という事か…?」

「否、10代や20代の頃の自分と変わらぬ意識である!」

という事にしておこう。やはり、後で大バッシングを受けるのだろう。

 

ここまでは、僕個人の話。成程…その個人の中では幾らでも意識は作れるし、場合によっては変える事も出来る。しかし…

 

2017.07.11、暑中稽古初日、柔道教室にて、久々の懐かしい2つの顔が現れた。

『勝ち過ぎCちゃん』と「変わり過ぎI君」の2人である。2人は、この柔道教室の出身である。

2人とも中学校の3年間、この柔道教室に通ってきた。そして、それぞれが高校でも柔道部に所属して、更なる稽古を積んでいる。いや、Cちゃんは今高校3年生で、つい先日、高校の柔道部は引退をした。I君は、今、高校2年生なので、後1年ある。

この日の稽古で、I君と寝技の乱取りを3分1本、Cちゃんとは立ち技の乱取りを4分1本をそれぞれした。

どちらも、相応の場所で稽古を積んできているのが、乱取りを通じても良く解る。

「強く成ったよな…」

というか、Cちゃんは、もう高校の部活も引退で、いよいよ受験勉強に入る。

「もう、今は何て言うのか知らないけれど…センター試験の勉強?みたいな事は始めているの…?」

「ハイ!始めてます!」

「そっか…」

Cちゃんが通っている高校は進学校でもある。今のCちゃんは、バリバリの受験生である。

 

一方の、I君は、今、高校2年生、後1年ある。が…I君が所属している学校の柔道部は、この県内の強豪校の一つである。

「(よく、1年続けられたよな…)」

正直な感想である。辞めずに続ける事が出来れば、もっと強く成るのだろう。僕は、中学3年生の頃のI君を知っているので

今回、I君と寝技をやった時は本当にビックリした。でも、よく考えたら当然の結果か…

それだけの場所でI君は稽古を積んでいる。

「キツイかもしれないけれど…辞めなければ、もっと強くなるよ!正直、ビックリした。」

寝技の乱取りが終わった後で、I君に僕は言った。I君は照れ笑いをしていた。

 

歳月は人を待たず…

確実に時間は経過して行く…

「彼らは、確かに、『前へ』進んでいる!」

「僕は、どうなのかな…?」

『柔道に関しては物凄く前進している。』

とだけ記しておこう。

『峠の登りも下りも、みんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから』

(新編、『銀河鉄道の夜』新潮文庫、p197、著:宮沢賢治)

(2017.07.16日曜日、読売新聞朝刊、11面、『美になるよみもの』、著:押切もえ)

「えっ?ここ峠?」

「えっ?ここ登り?」

「えっ?ここ下り?」

「えっ?ほんとうの幸福!?」

正直、何も解っていない。ハッキリと断言できるのは、

「確かに僕は、『道』を歩いてはいる。」

これだけは、断言できる。(これも、記しておこう。)

 

takumaroは今日も往く!

 

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